ニオイを気にする人にとって、デオドランドクリームや制汗剤スプレー、汗ふきシートなど、そのケアグッズは欠かせないアイテム。
新商品がリリースされれば試しに購入してみたり、または定期的に購入しているお気に入りのアイテムなど、気づけば知らぬ間にその数が増えていきますね。
しかし、デオドランドクリームや汗ふきシートの処理の仕方は分かっても、意外と処理に困るのが制汗剤スプレー。
制汗剤スプレーはガスを含むため、危険のともなう商品。
正しい捨て方を学び、大きなトラブルに見舞われないようにしましょう。
今回はスプレーの危険性と安全に処分するために知りたい3つのポイントを詳しく解説します。
【業者・メーカー・自宅】スプレー缶の中身の処理とかんたんな処分方法
みるみるうちに自宅にスプレーなどが溜まると、処分に困ってしまいますよね。
すべての商品を使い切った上で、処分をするのは簡単ですが、中身が残ってしまうこともしばしば。
そのままゴミとして、通常のゴミと一緒に捨てることは出来ません。
スプレーを使い切って捨てないといけないため、正しい廃棄の方法を実践して処分しましょう。
解説・エアゾール製品とは?
エアゾール製品とは制汗剤スプレーなどのこと。
- スプレー容器の中に噴射剤(LPGまたは窒素など)とヘアスプレーの原液や制汗剤の元を詰め、プッシュボタンを押すと、中身のガスの圧力により、内容物が霧状または泡状に噴出す製品の事です。
制汗剤やヘアスプレー、または虫除けなどにも使われることが多いです。
制汗剤スプレーなどの裏面表記を見ると、LPGと記載がありますね。
わたしも制汗剤スプレーは長い間使用していましたが、ニオイを抑制するのに大きな効果をあげてくれました。
しかし、その制汗剤スプレーも一歩使い方を間違ってしまえば、危険なものに。
ガスを含んでいるため、正しい使用方法を知り、そして使い終わった後には、きちんと処理をしておきましょう。
ニオイを抑制するのも大切ですが、安全にエアゾール製品と付き合っていくことも同じくらいに重要です。
取り扱い注意・危険・エアゾール製品による事故
平成22年から平成26年の過去5年間に横浜市内で発生した、スプレー缶(制汗剤や殺虫剤等のエアゾール製品や燃料ボンベ(カセットこんろの燃料ボンベ))に起因した火災は70件発生し、死者が2名、負傷者が46名発生しています。その原因は、スプレー缶の危険性を理解しておらず、使用方法や廃棄方法が正しく守られていないために起きているものがほとんどです。
出典:横浜市消防局
このようにわたしたちが日頃から愛用している制汗剤スプレーは、正しい使い方や廃棄方法が守られていません。
横浜市内だけで、これだけの件数の事故が起きています。
注目すべきは、これが横浜市内という一部の地域だけでのデータ。
つまり全国に調査を広げていけば、さらなる事故の件数となってしまうでしょう。
怪我だけでなく、死者が出ているケースもあるため、どれだけの危険性があるかはすぐに分かって頂けるはずです。
手順・制汗剤スプレーの正しい使い方と処理
制汗剤スプレーなどを使い切った後は、どのように廃棄されていますか?
基本的には制汗剤スプレーなどの裏面には、廃棄方法が記載されています。
その制汗剤スプレーのタイプによって異なるため、若干の違いはありますが、基本的な注意点や危険性は一緒です。
前述の通り、エアゾール製品はさまざまな商品が存在します。
今回は、制汗剤スプレーにフォーカスして、まずは廃棄方法を見ていきましょう。
事故や火災の可能性!なぜガスは危険なのか?
- 火災や爆発事故の危険
- 中身が残ったままだと引火の恐れ
なぜ使い終わったスプレーの廃棄方法を知るのか?
それは自分自身だけでなく、他人を危険に巻き込む可能性があるからです。
もし仮に制汗剤スプレーの缶に、ガスが残ったまま廃棄したとしましょう。
ゴミ収集車内や運搬した後の廃棄物処理施設での事故。
火災・爆発事故の原因となる可能性があります。
事故を防ぐためにも、エアゾール製品を廃棄する場合、必ずスプレーの残った中味をすべて出し切りましょう。
中身が出ない・使い切れない・正しい廃棄方法
- 屋外で中身を出し切る
- 市町村で定められた方法に従う
- メーカーに問い合わせる
処分の手順
- 安全な場所に移動する
- 中身を出し切る
- 市町村指定の廃棄方法に従う
これはどの制汗剤スプレーのタイプなどにも共通すること。
まずはじめに、必ず火の気がない屋外や場所に移動しましょう。
できれば風通しが良く、広い場所が好ましいです。
そのうえで、シューというスプレーの音が、完全に消えるまでプッシュボタンを押し続けます。
完全に音が聞こえなくなる状態まで、スプレー内の内容物やガスを出し切ることは絶対。
そして、最後にお住まいの市町村等で、定められた方法により廃棄してください。
もしも落下やまたは外部からの衝撃により、スプレー缶が変形してしまった場合、危険をともなう可能性もあります。
メーカーによってはその際の対処法を教えてくれる場合もありますので、その際はお客様相談窓口などを利用するのも、ひとつの手でしょう。
どうしても中身が出し切れない場合は、無理せず問い合わせるのもひとつの選択肢です。
おすすめ・スプレーを長持ちさせる使い方のコツ
- しっかりと振ってから使う
- プッシュボタンをきっちり下まで押す
制汗剤スプレーなどの、商品の表示を見ると、かならずスプレーを振ってからお使いください、という表示を見ます。
なんとなく、混ぜるため?くらいにわたしは思っていたのですが、じつはニオイの抑制の効果と製品を使い切って長持ちさせるためだったのです。
制汗剤スプレーの中身は、粉末と液体(中味の成分とガス)が入っています。
しかし、ずっと置いたままにしておくと底に溜まっている粉末が分散されません。
それが続くと一部の粉末だけが吸い上がり、ボタン部分に詰まり、中味が出なくなります。
しっかりとよく振ることで、粉末がしっかり均一に混ざった状態でスプレーできます。
ちなみに横にしながら、中身を混ぜるようなイメージで数回振ると、底にたまった粉末と成分が混ざりやすいです。
結果、商品の効果も最大限引き出すことも出来ます。
それだけでなく、しっかりと混ぜて使うことで、目一杯商品を使い切ることにも繋がります。
粉末をしっかりと分散させてから、きちんとプッシュボタンを下まで押すこと。
そうすることで、ボタン部分に粉末が詰まることなく、最後まで残らず使いきることが出来るでしょう。
番外編・面倒な人や本数が多いケース・回収業者に頼む
ここまでスプレーの処分方法を見てきましたが、正直面倒に感じた人も多いのではないでしょうか?
時間がなくて忙しい、本数がとにかく多いケースでは、自宅での処理は困難を極めます。
そこで、回収業者に頼んで廃棄してもらうこともできます。ただ、当たり前ですがそこには費用が発生してしまうもの。
手間を省くことが出来ますが、有料のため、業者なども厳選して選ぶようにしましょう。
追加料金の発生や出張料などが掛かるケースもありますので、事前の下調べをオススメします。
今回のまとめ
今回は制汗剤スプレーおよびエアゾール製品についての、正しい使い方について、お伝えしました。
制汗剤スプレーは年中使用するものですが、とくに夏場は使う人数も回数も一気に増加する時期。
だからこそ、普段使い慣れている人はもちろん、使い慣れていない方にこそ注意が必要です。
ニオイを抑制するために制汗剤スプレーは欠かせないアイテムですが、それと同時に安全とも向き合っていくことは、欠かせません。
正しい使い方、廃棄方法を学びながら、安全にニオイケアと付き合っていきましょう。
あなたの悩みがひとつ消えますように。最後まで読んでいただき有難うございました。