現在、自分自身のわきがだけでなく、子供のわきがに悩んでいる親や家族も、多いのではないでしょうか?
じつはわきがは遺伝といわれていますが、後天的にわきが体質になるケースもあります。
それが今回の意外と知らない例外です。
最近では、子供のわきが手術や治療を取り扱うクリニックも多いです。
「わきが体質は子供に遺伝するの?」
「いつからニオイがするの?」
親の立場からすれば、子供のわきがに関する心配は、自分自身以上に神経質になってしまうものですよね。
学校生活だけでなく社会人になっても、人と接する機会は年を追うごとに増加していきます。
人生を過ごしていく上で、わきが体質が足かせにはなって欲しくない、というのが本音ですよね。
ときには、わきがは集団でのいじめの対象にもなります。わたし自身もそんな場面を見てきました。
そこで、わきが体質と遺伝の関係、わきが体質が増えた背景、具体的な対策について詳しく掘り下げていきましょう。
【した・しなかった】親から子供へ・わきが体質遺伝の確率とは?
わきが体質は遺伝をするのか?
子供を持つ親にとって、この点は非常に心配になってしまう問題の一つでしょう。
まず、この記事のタイトルでもお伝えしてますが、両親や家族から子供へわきが体質が遺伝をする可能性があります。
- 両親のどちらか一方がワキガ体質の場合50%
- 両親ともにワキガ体質の場合は80%
具体的には上記のように、ともに非常に高い確率で遺伝します。
そして、わきが体質というのは優性遺伝。
遺伝子には優性遺伝と劣性遺伝の二種類が存在します。
- 優性遺伝とは、遺伝し受け継がれやすいもの。
- 劣性遺伝とは、遺伝しにくく受け継がれにくいもの。
これは誤解のないように言っておきますが、遺伝子の良い悪いを決めるものではありません。
端的に言えば、子供に遺伝しやすいか遺伝しにくい性質なのか、を表すときに用いられる表現です。
意外な落とし穴!遺伝子だけではない?
ただ、前述のとおり50%と80%の高確率で遺伝しやすいことをお伝えしました。
しかし、冒頭でもお伝えした例外もあります。
それは、両親どちらもわきが体質でないケースでも、子供がわきが体質になる可能性があるということです。
なぜなら、その理由を辿っていくと、日本人の食習慣の変化や現代社会の変化まで、さまざまな時代の変化が関係していることが見えてくるのです。
- 食生活の変化
- 現代社会の変化
じつは、後天的にわきが体質になるケースが非常に増えていることも、ネットニュースで近年取り上げられるようになりました。
原因・現代人の食生活や社会の変化による2つの影響
まずひとつめは、ストレスとの関係性です。
現代はいま、数多くのストレスにさらされています。
時間、人間、仕事、学校、SNSなど、さまざまな制約がありながらも、便利で不自由のしない社会になったはずでした。
その一方で、多くのストレスも抱えるようになっていたのです。
- 7割以上が日常のストレスを感じている
- ストレスと汗は密接な関係である
今は競争社会や管理社会、高度情報化社会。そしてストレス社会とも言われています。
2018年の社会人のストレス調査では、7割以上が日常生活にストレスを感じていると回答しています。
そんな現代のストレスの影響が、人間の身体に大きな影響をもたらしているのは、誰もが知っている事実といっても過言ではないでしょう。
しかし、今やストレスを抱えているのは、社会人だけでありません。老人や子供にまで及んでいます。
つまり老若男女問わず、すべての人のニオイ(汗)にまで、ストレスが影響を及ぼしてるということです。
じつは、ストレスと汗には密接な関係があります。
ストレスによる汗は「精神性発汗」といわれ、ミネラルやたんぱく質を含む脂質が汗を作るため、ニオイが強くなります。
- 通常の汗はサラサラ無臭
- ストレスによる汗はベタベタでクサい
通常の汗は、99%が水で形成されほぼ無臭。しかし、ストレスによる汗だけが、ニオイの原因ではありません。
日本人の食生活の変化も大きく関係しているでしょう。
体臭が悪化・食生活の欧米化でわきが体質が急増
もともと、日本人は穀物や野菜を中心とした食生活でした。
穀物や野菜などは、体臭を抑制する効果があり、そのおかげで日本人にはわきが体質が少なかったと言われています。
ですが、現代社会では当たり前のように、食生活の欧米化が進んでいます。
普段の食生活を振り返ってみて、いかがでしょうか?体臭を強くする肉やジャンクフード、またはコンビニ弁当。
脂や肉などの動物性のたんぱく質を含む、食生活が主流になっていますね。
それは家庭の食卓にも表れ、子供も当然のように欧米型の食生活を送っています。
- 食の欧米化で日本人の体質も欧米化する
- 遺伝しなくてもわきが体質になりうる
- 将来的に少数派でなくなる可能性も
ちなみに欧米のわきが体質は80%。それは食生活の影響も大きいと言われています。
その結果、欧米同様の食生活を送っている日本人の体質も欧米化し、わきが体質の人間がさらに増え続けているのでしょう。
将来的には、さらに増え続けるとも言われています。
もともと両親がわきが体質でなくとも、食生活によって子供がわきが体質になり、ニオイに悩むケースが増加しているのです。
つまりわきがは遺伝だけではなく、食生活の影響もおおいに関係しています。
わきがは一時的?思春期だけ?思春期から変化する体内
子供は成長していくと、かならずこの思春期をむかえます。
小学校の高学年から高校生までくらいが、一般的な思春期の期間です。
思春期はホルモンバランスなどの変化により、心身ともに大きな変化をむかえる時期。
そのため、わきが体質であれば、この時期を境にニオイが強くなります。
- ホルモン変化でアポクリン汗腺を刺激
- とくに思春期は精神面が不安定な時期
なぜなら、ホルモンバランスなどの変化により、わきが臭の原因となるアポクリン汗腺を刺激するため。
さらにやっかいなのが、精神面です。思春期は気持ちが不安定でどこか安定しません。
不安定な時期であるがゆえ、ニオイなどに敏感になり、気にしすぎてしまうケースは多いです。そして、ちょっとしたキッカケで心を閉ざしてしまうことも。
わたしは自分がわきが体質でないか?ぼんやりと疑い始めたのもこの時期でした。
しかし、本人がわきが体質であることを、自覚しているケースと無自覚なケースがある点が、おおきな問題でしょう。
【具体例つき】子供のわきが対策・治療や手術
とくに思春期は非常に敏感な時期であるため、わきが体質を自覚していないケースは注意が必要です。
ちょっとしたことで、良くも悪くも変化が起きてしまう時期です。これはとくにデリケートで根深い問題といえるでしょう。
ただ、どちらにしても親側の立場からすれば、生活習慣の改善をすることでの手助けは可能です。
ガッツリ踏み込むよりは、少し背中を押してあげる程度がベストでしょう。
- 本人がわきがを自覚・無自覚によって判断が違う
- 食生活でのサポートはできる
- デオドラントを渡して対策する
これらは本人が自覚、無自覚関係なしに、比較的カンタンにしてあげられることでしょう。
例えば、和食や魚、果物など中心の食生活に切り替え、肉や脂っこいものを控える。
食生活の影響が原因であれば、解決方法は見えていますね。
また、出来る限りストレスになることを取り除いてあげるなど、すくなからず出来ることもあります。
直接的な方法でいえば、デオドランドなどを渡す方法もあります。
それは親と子供との関係性、またその子の性格など、判断を見極める必要があるでしょう。
親が子供を心から思う強い気持ちと、思春期で繊細な子供の心情は、すりあわせるのが困難です。
再発の危険・子供向けのわきが手術を行う病院も存在する
そして、最終的には手術という方法もあります。
今はたいがいのクリニックなどのページを見ても、子供のわきが治療について記載があります。
私もカウンセリングの時にチラっと話しを伺いましたが、子供のわきが手術の需要は増え続けているという話は、どこのクリニックでも多く耳にしました。
ただ、注意が必要なのは、思春期などの成長期が終わってからでないと、再発の恐れがあります。
- 成長期前は再発のおそれがある
- 長期休暇・学校との兼ね合いも考える
どのような世界的な名医だとしても、身体の成長による汗腺の発達を止めてしまうことは出来ません。
再発のリスクを考えれば、汗腺が出来上がりきってから、手術するのがベターでしょう。
また、それだけの問題ではありません。
学校に通っている場合は、体育など授業をを休むことも考えなければいけないでしょう。
そのため、夏季休暇など長期の休暇の場合は、学生さんの手術の予約が多くなる時期。もし手術を考えている場合は、時期だけは早めに決めた方が良いでしょう。
子供が運動部に所属している場合は、長期間休む理由なども考えないといけません。
手術だけの問題ではなく、隣り合わせになっている問題にも向き合わないといけないでしょう。休む理由は下記を参考にしてくださいね。
今回のまとめ
自分自身だけでなく、自分自身がわきが体質でない場合でも、子供の体質やニオイについては、人一倍心配になってしまうものです。
学校生活ではちょっとしたキッカケがいじめの原因になったり、その後の学校生活や人生まで変えてしまうほど、大きな影響を与えるものです。
とくに多感な時期の子供は、不安定で何がどう影響を与えるか予想がつきません。
だからこそ、どんな状況になっても、しっかりと支えてあげられる環境づくりが大切ですね。
日頃の子供の変化に敏感になり、気づいてあげることも大きなサポートになるでしょう。
あとがき
わたしも学生時代に、ニオイが原因でいじめられている人間を見てきました。
だからこそ、我が子を心配してしまう気持ちはすごく分かります。学校生活はほんのちょっとしたことが原因で、一瞬で変わってしまうことが多いもの。
すべての人間に深い理解があり、優しさや思いやりがあるわけではありません。だからこそ早めに気づくことと対策が重要になります。
対策はどうすべきか、そこには年齢や環境など、さまざまな状況が絡み合うので一概には言えません。
お子さんの意見も大切ですね。
ただ、汗腺が出来上がる思春期の終了までは、デオドランドで対策を続け、そこから手術かデオドランドでの対策を続けていくのか判断する。
これが長い目で見た時に、もっとも合理的な方法ではないでしょうか。すこしでもこの記事の一部が、参考や悩みの解決になれば幸いです。