多汗症とワキガは、字の通り別モノですが、じつは同じものと誤解されやすいです。
なぜなら、どちらも原因は汗にあって、解決方法も同じと思われやすいためです。
一見似ているようですが、対策をすべき汗腺もちがえば、そもそもの対策自体もちがうのです。
ワキガはワキガ体質によって、ワキガ臭を汗から出してしまうことです。
多汗症(たかんしょう)はワキだけではなく、顔や足や手などからも大量に汗をかき、日常生活にも支障をきたしてしまうこともある疾患のことです。
また、該当する人数にもおおきな違いがあります。
日本人の総人口が、2019年1月1日時点で1億2632万人です。
その中の約1、2%(約120万から240万人)程度が多汗症と言われているそうです。ワキガは10人に1人の割合と言われています。
- 多汗症は約120万人から240万人
- ワキガ体質は約1200万人
ワキガに比べると、多汗症は10分の1程度で数がとても少ないです。
そして、汗っかきとひと括りで軽くみなされがちなため、社会的な理解もそこまで多く得られていません。
その結果、多汗症からさらなる病気を併発するケースがでています。
ひとりで抱え込んでしまうことでうつ病を併発したり、本人が病気と認識していないことで、精神的な苦痛を受けている方も多いです。
今回はそんな多汗症とワキガ体質の違い、それぞれの実態などをまとめてみました。
また、ワキガ体質で多汗症にも悩んでいた、わたしのおすすめの多汗症対策もぜひ試してみてください。
ワキガ・多汗症・汗っかきの違いと境目とは?
夏などの暑い季節になれば、誰しも汗をかいてしまうものです。
多汗症であるなしにかかわらず、当たり前に汗をかきます。
とはいえ、汗っかきと多汗症を見極めるポイントといえば、季節とその汗の量です。
多汗症の方は夏だけでなく、冬などの寒い季節も関係なく、一年中汗をかきやすい体質です。
そのため多汗症にも度合いがありますが、汗溜まりができてしまうほど深刻なケースもあります。
さらに全身から汗の出る多汗症のケースもあれば、手やワキなどの限定された部位のケースもあり、人によって違いもあります。
それが全身性多汗症と局所多汗症です。
- 人によって汗をかきやすい部位が異なる
- 多汗症は汗の量・ワキガはニオイ
また、よく陥りやすい誤解もあります。
多汗症は常に汗をかいている状態なので、自分が汗くさいのではないか?と勘違いしてしまうのです。
そして、多汗症とワキガでもあると、悩んでしまうこともあるのです。
ただ注意しなければいけないのは、多汗症でワキガの人もいれば、ワキガだけの人もいます。
さらには多汗症だけの人もいるということです。
とても複雑で、一概に断言出来ないのが難しいところの一つですね。
- 多汗症
- ワキガ体質
- 多汗症+ワキガ体質
汗の量を見て判断することは出来ますが、ニオイに関しては客観的な判断が必要となります。
なぜなら、人間の嗅覚はニオイに順応する機能を持ち、慣れてしまうためです。
もちろん問題を解決する方法もあります。
ただ、そのまえに多汗症とワキガ臭を起こす、汗腺の違いについても解説していきましょう。
アポクリン汗腺とエクリン汗腺の関係とは?
人の汗腺には、ニオイを発することがないエクリン汗腺、ワキガのニオイを発するアポクリン汗腺の二種類が存在します。
そして、ワキガ体質でない方も、どちらの2つの汗腺も持っているということも事実です。
エクリン汗腺は運動したときに出る汗、アポクリン汗腺は緊張したときに出る汗。
と、イメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。
- エクリン汗腺は無臭の汗
- アポクリン汗腺はワキガ臭
- 汗腺の量と大きさで決まる
ただ、その数の割合が多く汗腺自体が大きいとワキガ体質となるのです。
ニオイについても、ふたつは異なります。
ワキガのニオイはネギや鉛筆、ごぼうやクミンなどの独特なニオイに例えられることが多いです。
しかし、汗臭いニオイは酸っぱいようなイメージです。
そして、最大の違いはこの点にあります。
- 汗をかいていない状態でニオイを発生させる
- 通常の汗と混ざりニオイを届きやすくする
ワキガ体質の方はアポクリン汗腺の数が多く、汗腺自体が大きく発達しているために、汗をかいていない状況でも臭気を発することもあるのです。
そして、通常の汗をかいたときにその汗とニオイが発散されます。
同時にワキガ臭と混ざり合うことによって、周囲の人がニオイに気づきやすくなるようです。
これこそが、ワキガ体質が起こるメカニズムです。
【解説】多汗症とワキガ体質の治療と対策の違い
適切な処置をするためには、ここから正しい判断が必要になってきます。
まず、ワキガ体質の疑いがある場合、本当に自分自身がニオイを発しているのか知る必要があります。
ワキガ体質もしくは、多汗症+ワキガ体質の疑いがあるケースは、こちらに該当します。
いまからセルフチェックをして、自己診断をしてみましょう。自宅で無料でカンタンにできます。
多汗症だけの場合でも、念のためセルフチェックだけでもしておいて損はありません。
なぜなら、ワキガ体質は8割が自覚がないためです。
ここまでを振り返ると、多汗症・ワキガ体質・多汗症とワキガ体質という3つのパターンが存在します。
じつは間違いやすいのですが、それぞれ対策はちがうということです。
多汗症の治し方・手術や治療とストレス解消
多汗症の対策方法から見ていきましょう。
多汗症の原因は、大半が精神的なストレスに原因があると言われています。
そのため、まずその原因を知ることができれば、ストレスを取り除くことで解決することもできます。
ほかにも手術でエクリン汗腺を取り除くこと、交感神経など取り除く、内用薬を飲むなどの方法を取ることもあるのです。
- 汗腺自体を取り除く手術
- 注射によって汗腺の働きをコントロール
- 内用薬で発汗をおさえる
しかし、多汗症とワキガを併発していた場合、それではワキガは解決されていません。
なぜなら、ワキガの原因はアポクリン汗腺にあります。
精神的なストレスを解消して、手術でエクリン汗腺を取り除いても、原因のアポクリン汗腺にはなにもできていないためです。
汗の量は少なくなるので、一定の効果は見込めますが、ワキガ手術ほどの効果は得られません。
もしもこの事実に気づかないままでいると、対策をしてもワキガのニオイが残ったままです。
さらには、ワキガ対策のために再度手術を受けることになる可能性があります。
ムダに治療費が掛かることにもなり、それにともない時間とお金も失い、そして二度の手術で深い傷を残します。
根本的な問題を知ることが、ムダな出費と手間と時間の浪費防止につながるのです。
いまはワキガ治療、多汗症治療のどちらも、手術から外用薬や内用薬までのさまざまな対策があります。
自分自身を知ってうえで、最適な対策を見つけましょう。
あとは、もう一点知っておいて欲しいことがあります。
手術や治療・対策の前に、汗クサいニオイやワキガ臭を少しでも治せる方法があります。
生活習慣と食生活の見直しの効果について知っておくと、ニオイや汗は激変します。
【緊急】多汗症を抑えるほぼ無料のおすすめ対策
多汗症の原因は、大半がストレスによるものです。
そこで、手術や治療を考える前にリラックス方法や緊張を和らげるコツを抑えておきます。
これで解決する可能性もあるので、さっそく取り入れてみてください。
ほぼ無料でカンタンににできるものです。
まずは、気持ちをリラックスさせて、落ち着かせることがスタートです。
わたし自身も経験があるのですが、汗が気になり汗が出ないようにと頑張れば頑張るほど、逆に汗が出てきてしまうものです。
汗が出てこないか、大事な場面で不安になった経験がありませんか?
王道中の王道・深呼吸&笑顔&噛む
まずはド定番の方法ですが、この3つは抑えておきましょう。
- 深呼吸
- 笑顔を作る
- モノを噛む
どの方法もカンタンに取り入れられます。
なおかつこの3つは安上がりで、場所を選ばずにできるので、すぐにでも実践してみてください。
深呼吸で自律神経のバランスを整える
一つ目は深呼吸です。
リラックスした状態には、体内の自律神経のバランスよく活動した状態であることが必要不可欠です。
ストレスを感じると、息を吸うのが小さく浅くなりがちですよね。
そこで深呼吸によって、大きく吸い込んだ息(酸素)が全身にいきわたることで、自律神経のバランスを取ろうとします。
結果、リラックス状態となるのです。
大きく息を吸い込み、全身に酸素をめぐらせ気分転換をしながら、気持ちの落ち着きを取り戻しましょう。
笑顔の隠されたプラス効果
二つ目は、笑顔を作るという方法です。
不安や緊張を抱えていると、真顔になりやすく自然と表情がこわばりがちです。
あえてそんなときこそ、鏡の前などで笑顔を作りましょう。
そして、鏡の前というのがポイントです。
なぜなら作られた笑顔だとしても、鏡の前で笑顔を見ることで脳はダマされ、神経物質を分泌するためです。
ぎこちない表情も自然とやわらぐことで、一石二鳥なリラックス方法です。
ガムを噛んで脳の活性化
3つ目の最後は、モノを噛むという方法です。
人間の身体はモノを噛むことによって、脳が活性化されてストレスを軽減させます。
そのため、低予算で持ち運びに便利なガムは重宝します。
スポーツ選手が試合中などにガムを噛んでいることもありますが、リラックス方法の一種だともいわれているのです。
緊張による口臭対策などにもなるので、持っておいて損はないです。
つぎは、個人的にとてもオススメで意外なアイテムです。
汗脇パッドは万能でおすすめな理由
つぎに、オススメなのは汗脇パッドです。
なぜなら、多汗症と汗は切っても切り離せない関係であり、汗ジミに悩むことも多いですよね。
そのため、汗脇パッドの使用は合理的なのです。
しかし、それだけではありません。もう一つの理由があります。
まず、汗脇パッドは使用することで、洋服に汗ジミが出来なくります。
汗ジミによる周囲の冷ややかな視線が気になり、汗が出てくることはありませんか?
Tシャツのワキ部分の目立つ汗ジミ、ワイシャツの背中が汗で透けるくらいのグッショリ感、季節外れの顔汗などです。
そして、追い打ちをかけるように周囲の汗ジミへの冷ややかな視線、それこそストレスの原因のひとつです。
だからこそ、汗ジミを防ぐことで心理的な負担がなくなり、リラックス出来るようになります。
汗をかいてる実感が見た目でも肌感覚でも、必要以上に感じられなくなることで、気持ちにゆとりが出来ることが二つ目の理由です。
- 汗ジミを防ぐ
- リラックスして余裕ができる
ただし、気持ちに余裕が生まれても解決しないケースもあります。
そんなときは、あえて逆転の発想をしてみるのもオススメです。
わたし自身も、絶対に外せない大事な面接時などは、このヤケクソ精神で乗り越えた経験があります。
緊張というのは、過度な不安や自分をよく見せたい、そう思うからこそ起こるものです。
おすすめのリラックス方法・コツは開き直りと割り切り
リラックスしたあとは、開き直りです。
「どうしよう。。汗が気になる」と思い出したら、その不安は頭のなかでループしつづけます。
そんなときこそ、あえて開き直ってしまいましょう。
- 「もう隣の好きなあの子にワキガ臭が匂ってしまってもいい!」
- 「オフィスにいる社員全員にニオイが届いてしまえ!」
- 「通勤途中の通りすがりの人間すべてに汗ジミなんて目立ってしまえ!」
と、こんな風に極端に考えてしまうのです。
普段は真逆のことを考えていますが、あえて開き直ってしまうのです。
- 汗をかきたいと思ってしまう
- もうどうなってもいいと本気で開き直る
- 極端に最後まで割り切る
わたしもよく使っていた方法なのですが、「汗が出てしまう!どうしよう」と焦れば焦るほど、精神的な発汗をしてしまうものです。
あえて逆手にとって、汗を出したいと思ってしまうのです。
そうすることによって、汗に意識がいくことなく、気が付くと精神的な発汗が収まっていることもありました。
大量に汗が出たり、強烈に匂ってしまうことで、命を落としてしまうわけではありません。
いっそのこと、開き直ってやりましょう。
それくらいの究極な開き直りと割り切りが、心からのリラックスには必要不可欠です。
今回のまとめ
悩みというのは、悩めば悩んでしまうほど、視野が狭くなり客観的な判断がしづらくなるものです。
まず最初に自分自身は、多汗症なのか、ワキガなのか。
それとも多汗症でワキガなのか、もしくは過剰に気にしているのか、知ることが向き合っていく上で非常に大切になりますね。
カウンセリングに行くと、じつは気にしすぎているパターンが多いという話もよく耳にします。
自分以外の意見もきちんと取り入れるようにしましょう。人それぞれに合った解決策は必ず見つかります。
なにより、一歩踏み出すことが解決への大きな前進です。
ともに解決に向けて、悩みとうまく付き合っていきましょう。
あとがき
わたし自身、自分がワキガだけなのか、ワキガで多汗症なのか悩んでいた時期がありました。
ワキガでありながら、汗も出やすく、更に緊張するような場面にさしかかると人並み以上に汗が吹き出していたのです。
そこでわたしの場合は、家族である姉と医師にニオイなどの判別をお願いしました。
やはり最初に言い出すときはとても緊張したのですが、姉の反応は拍子抜けするくらいあっさりとした対応。
自分はワキガのことを、必要以上に深刻に考え過ぎていたのかな?なんて思ったのが印象的です。
話すだけで気持ちも楽になりました。
もしも身内に相談できない場合は、医師に相談しましょう。
むしろ医師のほうが確実な判断ができると思いますし、この先ずっと顔を合わせるわけではないので遠慮なく聞けるかもしれませんね。
まずは根本的な原因を知ることが解決に繋がっていきますよ!
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