- 満員のエレベーターの中
- 人が混み合った電車のまわりの様子
- 会話の途中で他人の鼻を押さえる仕草
- 口元への視線
このような環境や状況のなかで、自分のニオイに敏感になった経験はありませんか?
おそらく誰しも一度は経験があるはずです。
そんなときに、異常なまでに敏感になってしまっていたら、あなたは自臭症かもしれません。
わたしたちは暮らしていると、当たり前のようにさまざまなニオイに触れています。
体臭・口臭・香水・食事・外気のニオイなど、挙げたらキリがないほど、自然とニオイを嗅覚が感じ取るものです。
しかし、自臭症とは自分が周りに不快なニオイを、与えてしまっているんじゃないかと、過度に思い込んでしまうことです。
「あの人がクサいと思ってる」「わたしはクサいんだ」と被害妄想に近い考えを持ってしまうのです。
さらに精神的に追い込まれると、日常生活にも支障をきたします。
気づかぬうちに深刻な状態になることもあるので、すこしでも心当たりのある方はチェックだけでもしておくべきです。
なぜなら、セルフチェックは30秒で無料ですぐにできるためです。
結論から言うと、解決に必要なのは医師による治療と自分自身の気持ちの持ち方です。
今回は、そんな自臭症の実態からセルフチェック診断、そして治療法まで詳しく解説していきましょう。
本当に臭い?自臭症の克服と治療法・セルフチェック診断付き
前述のとおり、自臭症は自分自身が発するニオイに、異常なまでに敏感になることです。
周りの人のちょっとした行動、仕草にも異常なまでに敏感になり、やがて日常生活にも支障をきたすほどになる神経症の一種です。
それが、自臭症または自己臭恐怖症などと呼ばれるものです。
ニオイの対象についても、人によってちがいます。
- 汗のニオイ
- 口臭
- ワキガ臭
- 体臭全般
意外なのが、年代です。
若い年代の思春期である敏感な時期に、起こりやすいと思われがちですが、意外にもそんなことはありません。
じつは性別や年代に偏りがなく、10代から70代までと広範囲にまでおよびます。
老若男女すべての人間に起こりうる可能性があるのです。
そして、単純な汗のニオイだけではありません。口臭などあらゆるニオイで、発するケースも多いとのことです。
自分のニオイに、敏感にはなっていませんか?
もしも悩んだり不安で心当たりがある方には、自臭症のセルフチェックをすることで、セルフチェックは解決の第一歩です。
勘違いであれば悩みは解決し、疑いがあれば解決を目指すだけです。
さっそくですが、つぎは30秒でカンタンにできるセルフチェックです。
診断しよう!30秒で簡単セルフチェック!
まずは、自臭症のカンタンセルフチェックをしましょう。
チェック項目は、たったの4つだけです。
- 自分の口臭や体臭が周囲に不快を与えているのではないかと思う
- 咳、鼻すすり、鼻に手をあてられるなどの動作に敏感である
- 周囲の動作に敏感になり、生活の質が著しく低下する
- 人が密集する場所、人との会話などで、ニオイを嗅ぎ取られることへの恐怖がある
今回のセルフチェック、いくつ当てはまったでしょうか?
軽度から重度にいたるまで、さまざまレベルに分かれます。
3、4の項目が当てはまった場合、症状が深刻化してしまっている可能性があります。
なぜなら、日常生活への支障がではじめているためです。
また注意すべき見逃せない点もありますよ。
それは、まったく不快なニオイを発していない方が、自臭症になることもあるそうです。
人間であれば本来、体臭や口臭は少なからず誰にでもあるものです。
しかし、自臭症の人は、これを誇大解釈(こだいかいいしゃく)してしまいます。
誇大な解釈とは、実際以上に大げさに言ったり考えたりすること。また、そのさまのことです。
他人が気づかないわずかなニオイでも、周りに分かるくらいのニオイと思い込んでしまうのです。
そして、自臭症になりやすいタイプには、ある共通点があります。
自臭症の症状となりやすい性格のタイプ
自臭症の初期症状は、ニオイに敏感になる程度です。
しかし、さらに深刻化してしまうと、他人に届かない少しの臭いさえも許せなくなりはじめます。
このレベルに入ったら、注意が必要です。
そして、完璧・完全志向が強い人ほど、この症状になりやすいとのことです。
性格も繊細かつ敏感で自分の意見を口に出せず、相手や周りのことを重んじるばかり、溜め込んでしまうタイプの性格が多いようです。
- 物事の完璧・完全思考が強い
- 自分の意見を言えない
- 傷つきやすく繊細
- 周囲の評価や様子が気になる
ご自身を振り返ってみていかがでしょうか?
自臭症は、症状が悪化してしまえば、身体醜形障害やうつ病まで併発します。
そして、そこから引きこもりや自殺までしてしまう最悪のケースに発展することもあります。
なぜなら、一人で自力で解決することが難しく、医師や他人への相談も必要なためです。
克服をするためには、医師による専門的な判断、自分自身の気持ちの持ちかたがカギを握ります。
いまひとりで抱え込んでいませんか?
手遅れになるまえに、助けを求めましょう。解決方法はあります。
自臭症治療の種類と治し方とは?
そして自臭症は、軽度から重度までのレベルによっても異なりますが、基本的には精神面に原因があります。
そこで、ここでは克服するために3つの方法を紹介します。
どの方法を選ぶにしても、まずは本人が精神的なケアが必要であることを受け入れ、そして理解することが治療のスタートです。
自分にピッタリの方法がひとつは見つかるはずです。
暴露療法
ひとつめは、暴露療法です。
暴露療法(ばくろりょうほう)とは、不安や苦痛を克服するために、患者が恐怖を抱いているものや状況に対して、危険をともなうことなく直面させることです。
たとえば、会話のときに他人が鼻をさわる仕草に恐怖やトラウマがあるとします。
そんなときにはあえて逃げずに、目の前で鼻をさわる仕草をしたりして、真っ向から向き合います。
向き合うことで、なんども恐怖を乗り越えて克服するのです。
なぜなら、ニオイがするのは思い込みだからです。
恐怖を与えたいのではなく、勘違いを自覚させるのです。
一見強引にも見えますが、自然とトラウマに対する恐怖も消えていきます。
- 問題と正面から向き合う方法
- 逆境を乗り越えられる人向け
- あえて逃げないで解決する
優しくフォローするよりは、強制的に問題に向き合う方法です。
ゆっくりと時間をかける方法よりも、比較的に改善が早く見込めます。
性格も優しく繊細な方がなりやすいので、あえてこんな方法をとるのも効果的かもしれません。
つぎは、まったく真逆の方法です。
認知療法
ふたつめは、認知療法です。
認知療法(にんちりょうほう)とは、自身の実際に発してる臭いと、自身が悩んでいるニオイの食い違いを修正することです。
まずは、地道にコツコツと理解を深め、対話をしながら進めていく方法です。
自身が放つ口臭や体臭などが、決して他人に迷惑をかけていないことを自覚させます。
あえて突き放すことなく、寄り添う方法ですね。
- 対話型で寄り添う方法
- 自分自身に寄り添いながら理解したい人向け
誤解や勘違いによって固まった心をときほぐしながら、自らで気付きを与えることも時には大切です。
ゆっくりと向き合っていくことで、自分がなにも問題がないことに気づくのです。
自臭症のときは、人の意見が入ってこなかったり、視野もせまくなりがちです。
だからこそ、ゆっくりと会話をして理解を深めることで、冷静にもなれるのです。
次は、ほとんどの方が知らないであろう意外な方法です。
森田療法
最後は、森田療法です。
森田療法(もりたりょうほう)とは森田正馬によって考えられた、一種の精神療法です。
「あるがままに「流れる心」を持つ事は非常に大切である。」という考えが根底にあります。
多少の欠点を受け流す心が必要、というのがキーワードのひとつです。
まずは大きな心で、ありのままの自分自身を受け入れることからはじまります。
- 完璧な人間がいないことを理解する
- 完全・完璧思考が強い人向け
- 欠点はだれにでもあることを認識する
人間は誰しも間違うことはありますし、どこかしら欠点を持っているはずです。
それが当たり前なのです。
まずすべての人が同じ欠点があることをを理解し、受け入れることが治療の第一歩になります。
この世の中に完ぺきな人も物事もありません。
完璧思考の人がよくおちいりがちな、何ごとも完璧でいたい気持ちが、自分自身を苦しめます。
良いところ悪いところも含めて、まずは受け止めてどっしりと構えましょう。
また、森田療法は効果の高さも実証済みです。
なぜなら自臭症だけでなく、慢性的なうつ病やガン患者のメンタルケアとして、幅広い分野に活用されている実績もあるのです。
専門医に相談する・そして自分自身を許すことがスタート
3つの治療法を見てみると、共通しているのは、精神面に対するアプローチであることが分かりますね。
心をさまざまな形で解きほぐすのです。
自臭症は、なかなか理解を得ることができず、ひとりで抱え込んでしまうことも多くなります。
そんな時はムリせずに、専門の医師に相談しましょう。
話すだけでラクになりますし、専門的なアドバイスももらえます。
- 話すことでラクになるケースもある
- 自分自身をおおきな心で受け入れる
自分自身の心構えとしては、物事を大きくとらえることです。
というのも多少のニオイは、生物である以上当然であるという、あるがままの心を持つ事が大切です。
臭いがあることは欠点ではなく、あたりまえのことです。どんな人間にも程度の差はあれば、かならず欠点があります。
まず、自分自身を大きな心で許してあげましょう。
世界中どこを探しても100%完璧な人間なんていませんよ。
もしそんな風に見えたのなら、それは幻想であり錯覚です。
また、わたしなりに悩んだときの対処法もあるので、ツライときこそ参考にしてみてくださいね。
今回のまとめ
悩んでいる人に対して、考えすぎないほうが良いというのは簡単に言えますが、じつはとても大切なことです。
時にはダラケてみたり、何も考えずに肩の力を抜いてみましょう。
ストレスの多い現代社会では、時には立ち止まる休息も必要です。
ニオイを意識したり、脇のケアをすることも大切です。ですが、まずは自分自身をおおきな心で、許す気持ちを持つことも非常に大事ですね。
悩みすぎて、ネガティブな方向にのめり込んでしまいそうな時こそ、リラックスしてストレス発散を意識しましょう。
あとがき
わたし自身もワキガに悩まされていた時は、他人の仕草や行動、また自分のニオイを嗅ぎ取られる空間が苦手でした。
常に制汗剤を持ち歩き、ことあるごとにじぶんのワキのニオイを気にしていたんです。
しかし気にしすぎた結果、緊張からまた脇に汗をかきさらにニオイを発してしまう悪循環にハマっていました。
自臭症までとはいきませんが、その当時は非常に敏感になっていました。
自分の性格を簡単に変えることは出来ませんが、そんな経験がある今だからこそ、もうすこし肩の力を抜いてもいいんですよ、とお伝えしたいです。
完璧でいる必要がないと受け入れた瞬間に、視界が広がり肩の荷が自然と下りるものです。
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