2017年大手製薬会社のロート製薬は、学会にて興味深い発表を行いました。
ニオイの研究の中で、ある成分を発見したことを報告したのです。
それは、10代~20代の女性だけに存在する、特有の匂い成分の発見でした。
そして、その匂いは30代以降、減少することも合わせて明らかにしました。
それだけではありません。その匂いを嗅ぐだけで、見た目の印象にも変化が現れることを証明し、さらに注目を浴びたのです。
その匂いの名前こそが、SWEET臭(スウィートしゅう)と呼ばれるものです。
今回は「SWEET臭」の正体について、お伝えします。
なぜ年齢によってニオイに変化が発生するのか、そして、ニオイが見た目の印象に変化を与える仕組みについて、詳しく解説していきましょう。
30代女性がニオイ対策を急ぐべき理由についても、紹介します。
SWEET臭の正体・30代女性が匂い対策を急ぐべき理由
まず、ロート製薬が行った、検証方法についてみていきましょう。
5つの成分を使って、女性の体臭を数値化する実験でした。
実験の方法はカンタンです。
まず、年齢別に同じ衣類を24時間着用し、その着用した衣類についている成分の数値を、年齢別で平均化したものです。
- ノネナール臭
- 脂肪酸臭
- アンモニア臭
- 硫黄臭
- SWEET臭
調査した成分は、ノネナール臭、脂肪酸臭、アンモニア臭、硫黄臭、そしてSWEET臭の5つの数値。
これらの成分が、時間が経過することによって、年齢別でどのような変化が出るのかをハッキリさせる検証です。
そして、検証結果では意外な答えが出たのです。
ラクトンC10・ラクトンC11とは?
もともとSWEET臭というのは、甘くて良い香りと表現されます。
そして、この良い香りの発生には「ラクトンC10・ラクトンC11」という成分が、大きく関係しています。
じつは、このふたつの成分が多いほど、独特の良い匂いがすると言われています。
「ラクトンC10・ラクトンC11」が多ければ、それはSWEET臭も強くなるということです。
しかし、ある年齢を境にして、成分の数値に変化が出たのです。
- SWEET臭は10代と20代前半の女性特有の匂い
- 30代になると減少し始める
検証では、「ラクトンC10・ラクトンC11」が10代でピークを迎え、20代を境に徐々に減少することが分かりました。
甘くて良い香りが、年齢と共に徐々に減っていたのです。
とはいえ、30代以降になると、SWEET臭が完全に消えるわけではありません。
実験による成分数値を見てみると、0にはなっていません。
しかし、30代を境にいきなり大幅に数字がダウンしているのも事実です。
加齢により変化・30代は匂いの分岐点
そして、ハッキリと数値のダウンが見られたのが、30代の平均値です。
とくに35歳が、ニオイの曲がり角となる、大きな分岐点になると言われています。
もっとも高い数値の10代と比較してみると、およそ半分にまで数値が下がっています。
甘くて良い香りのした10代よりも、50%ダウンしているのです。
- 35歳が曲がり角
- 逆にアンモニア臭と脂肪酸臭が増加
ちなみに、10代が最高値を出し、次に20代が高い数値です。
しかし、20代も高い数値を出しているのですが、10代に比べると、1・2割ほど数値が落ちています。
10代後半からゆるやかに減少し始め、30代に突入すると、突然急速に減少が進行することが、実験結果により証明されました。
とはいえ、甘くて良い香りがなくなるだけであれば、問題ありません。
30代から注意!アンモニア・脂肪酸が増加し始める
見逃せない点もいくつか存在します。
じつは30代は、SWEET臭が減少しているだけではありませんでした。
アンモニア臭・脂肪酸臭など、匂いの原因となる成分の数値が、上昇していたのです。
- 30代はSWEET臭の減少
- アンモニア臭と脂肪酸臭が最高値
一般的には加齢にともない、匂いが強くなるイメージがありますが、30代こそ注意が必要なのです。
なぜなら、40代や50代よりも、30代がアンモニア臭や脂肪酸臭の数値が、もっとも高くなっているためです。
つまり30代こそが、もっとも対策に力を入れるべき、年齢と言えるでしょう。
印象アップ!SWEET臭はモテ度に関わる
それぞれの年代毎で、女性は異なる魅力やキレイさが存在しますよね。
しかし、SWEET臭は、年代に関係なく相手に与える印象を、大きく左右するというデータが出ました。
匂いは脳の構造上、記憶に残るものです。なぜなら、他の部位を通さずに脳に情報を伝えるためです。
良くも悪くも与えるインパクトが強いものです。
しかし、どれだけ努力をして、自分自身の魅力を引き出し、女性として輝いていたとしても、じつは匂いで損をしているかもしれません。
せっかくのあなたの魅力も、SWEET臭の減少によって、正しい評価を受けていない可能性があります。
なぜなら、それを裏付ける検証結果が、データとして出ました。
検証方法
検証方法は、SWEET臭の成分となる「ラクトンC10・ラクトンC11」を含む香料、石鹸香料、ノネナールの3つの香料を使用しておこなわれました。
3つの香料を一種類ずつ嗅ぎながら、女性の写真を見るという検証です。
- 三種の香りを嗅ぎながら写真で判定
- 匂いと印象の関係性
写真でみる女性は、実際の年齢が平均40歳前後です。
そして、匂いを嗅ぎながら、写真を見て「若々しさ」「魅力度」「女性らしさ」という3つの項目を判定します。
無香料の状態が基準となり、その数値が100です。100以上になれば印象アップで、100を下回ると印象ダウンとなります。
肝心の検証結果ですが、圧倒的な数値が叩き出されました。
魅力的な魔法の甘い匂い
まず、ノネナールは全ての項目において、印象がダウンしました。
若々しさや魅力度の項目にいたっては、なんと50%近くの印象がダウンしていることが判明したのです。
プラスどころか、大きなマイナス印象を作り上げる結果です。
ノネナールは、加齢臭の原因となる成分のため、妥当な結果といえるでしょう。
- 匂いと印象の関係性が証明された
- 最大50%ダウン・最高74%アップ
次に石鹸香料。石鹸香料は個人的にも好きなので、大幅な数値のアップを予想していましたが、思わぬ結果になりました。
なんと魅力度が20%ほど上昇しただけで、女性らしさには変化なし。若々しさにいたっては、10%ほどの印象ダウンという結果になったのです。
石鹸香料はイメージとは違い、魅力を大きく引き上げる香りではないことが分かったのです。
そして、SWEET臭の成分となる「ラクトンC10・ラクトンC11」を含む香料です。
全ての項目において、印象がアップしていることは当然ですが、驚くべきはその数値の上昇率です。
女性らしさは15%、若々しさは47%、魅力度にいたっては74%まで急上昇したのです。
つまり10代や20代特有の匂いがあるだけで、ここまで数値に変化が生じてします。
10代20代が若々しく見えるのは、肌や髪などの印象ではなく、ニオイが印象を作っている部分が大きいのです。
年齢によって失われた成分も努力で上回ることができる
ただ、SWEET臭があるだけで、印象に大きな差が出てしまうことが分かりました。
そして、匂いという分野だけで、人に与える影響の大きさも分かりました。
人が如何にニオイから印象を作り上げているのか、客観的な証拠でもありますね。
- 10代と20代はアドバンテージがある
- 30代以降は対策でカバーする必要がある
つまり、もし10代、20代であれば、あなた自身の本来の魅力に大きなアドバンテージを与えてくれることにもなります。
しかし、30代以上もきちんと対策を行うことで、失われたSWEET臭の部分を、補うことができることも忘れてはいけません。
年齢よりも大切なのは、日頃からの対策をしているかどうかです。
好感度アップ!匂いをマネジメントすることで与える印象が変化
男性はよく若い子を好むと言われがちですが、そこにはSWEET臭という、大きなアドバンテージが影響しているのかもしれません。
しかし、30代以上の女性も、その年代にしか出せない魅力やキレイさがあります。
SWEET臭というアドバンテージを失ったとしても、きちんと匂い対策をし、なおかつ自分自身の匂いをデザインすることが大切ですね。
対策をすることによって、マイナスどころか、それ以上に大きなプラスを得ることも出来るでしょう。
大切なのは、年齢のせいにして諦めるのではなく、加齢が進むにつれて、自分自身と向き合う時間を多く割いていく必要があります。
良い匂いを漂わせることは、性別関係や年代ではなく、自分にとっても他人に対しても大切なものです。
匂いをマネジメントし、デザインすることで得られるものは、とてつもなく大きいでしょう。
今回のまとめ
今回はSWEET臭の存在について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
匂いが人に与える印象が、どれだけ大きなものか分かりましたね。
年齢を言い訳にせず、匂いをコントロールすることで、意中の相手を振り向かせたり、初対面で強く印象づけることも、決して非現実的な話ではないでしょう。
だからこそ日々の努力を怠らず、匂いに向き合っていきたいですね。
あなたの悩みがひとつ消えますように。最後まで読んでいただき有難うございました。