アロマ 入門編

楽しむ前に知っておきたい!アロマテラピーに関するすべての法律

ロマテラピーはわたしたちの生活のストレス解消手段となったり、香りを楽しむ方法のひとつとして、存在しています。

そのため年々、アロマテラピーを楽しむ人の数は増加傾向にあります。

しかし、アロマは精油。業態としてアロマを扱うケースや、取扱い自体に数多くの法律が関わっていることは知られていません。

法律と聞くと、難解なイメージで敬遠してしまいがちですが、アロマを楽しむうえでどれも欠かせないルールになっています。

自分自身だけでなく、周囲が安全にアロマを楽しむためにも、知らないと損をすることになります。

アロマテラピーを楽しむ前に、知っておくべき法律について、ここで抑えておきましょう。

【表現・雑貨扱い・販売許可】アロマテラピーに関連する7つの法律

アロマテラピーに関連する法律は、わたしたちになじみのあるものから、なじみの薄い専門的なものまでその幅は広いです。

目的によって関連する法律はちがいますが、どれも知っておくべきものばかりです。

医薬品医療機器等法(いやくひんいりょうききとうほう)

この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。旧名は薬事法                                

出典:厚生労働省

アロマテラピーは精油をあつかいますが、じつは医薬品や化粧品に分類されるのではないかという誤解があります。

一般的に使用している精油は、あくまで「雑貨」の扱いとなります。そのため、医薬品医療機器等法の法律による規制対象にはなりません。

  • 精油は雑貨扱い
  • 許可を得れば販売できる

しかし、許可を得ずに業態として化粧品、医薬品、医薬部外品を製造することは禁止されています。

その製造という定義には、小分けも含まれています。

当法律内の13条において、許可を得ずに業態として、化粧品、医薬品、医薬部外品の製造を禁止することは明記されています。

また、精油の効能や効果についての記載についてのルールも厳格です。

たとえば、以下のふたつを謳うことは禁じられています。下記のような表示をおこない、精油を販売または他者へ授与することはタブーです。

  • この精油は〇〇の病に効く
  • この精油は○○に効果的

業務と趣味では責任の対象が変わる

ここまでの話しをまとめるとアロマは個人的な趣味の範囲内で、トリートメントオイルや化粧品などを作ることは、禁じられていないことがわかりました。

業態としてアロマを販売し、そのアロマになんらかの異常があった場合は、その製造元が責任の所在となります。

  • 個人での趣味は自己責任
  • 業務の場合は製造元

ただ、個人で楽しむ場合は全責任が自分自身にあります。

製造者も使用者も自分であるため、他人に迷惑をかけることはありません。しかし、自分自身がなんらかの被害をこうむる可能性もあります。

基本的にはこの自己責任の原則を肝に命じ、アロマテラピーと安全に楽しい気持ちを忘れず、関わっていきましょう。

消防法(しょうぼうほう)

この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。

出典:東京消防組合

防法は上記のとおり、火災の予防に関することや危険物などを取り扱う、または貯蔵する際についての注意事項などをまとめた法律。

消防法で指定された数量以上の危険物は、貯蔵所および指定の場所以外で貯蔵したり、取扱いすること自体を禁じています。

  • 指定された数量以上の取り扱い
  • 指定された数量以上の貯蔵

精油は、名前の通り油が入っているため、火気に近づけると引火する危険性があります。

アロマキャンドルによるトラブルなども相次いで報告があり、取扱いだけでなく保管にも気をつけるようにしましょう。

また精油は危険物に該当する場合がありますが、自宅で個人的な趣味として楽しむ範囲や量であればべつです。

法律の規制対象にはなりません。

景品表示法(けいひんひょうじほう)

景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。

ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。


景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。

出典:消費者庁

景品表示法は、販売などを行う事業者が消費者に対して、過大な景品または商品の不当な表示をしたりする行為を制限、禁止する法律。

誇大広告などと言われ、言葉の言い回しなどで、実際の品質よりもスグれていると表示すること。

また事業者側にとって、明らかに有利な金額を表示すること。

これらは商品を購入する側の消費者の、合理的な選択を妨げるため、消費者保護として制定された法律です。

カンタンにいうと、こんな感じです。

  • おおげさな宣伝NG
  • ぼったくり金額NG

わたしたちも普段、広告などに目を通すと疑わしい内容の表現や商品などを、目にすることも多いはず。

対策としては表示だけをうのみにしないこと。

そして、事業者側に問い合わせをしたり自分自身で調べるなどして、合理的な選択をするようにしましょう。

製造物責任法(せいぞうぶつせきにんほう:PL法)

製造物責任法(せいぞうぶつせきにんほう、平成6年7月1日法律第85号)は、製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めた法規のことをいうが、形式的意義においては、上述の損害賠償責任について規定した日本の法律のことをいう。1995年7月1日施行。                             

出典:消費者庁

製造物などの欠陥により、消費者が損害を受けた場合、それを明示することにより、製造元および輸入業者などに損害賠償を求めることが出来ます。

  • 消費者の救済と保護を目的とした法律

一例をみてみましょう。仮にアナタが精油を購入し、その精油の瓶に亀裂があり、中身がこぼれたとします。

そして、そのこぼれた精油が購入者の衣服につき汚れました。

本来であれば、気にも留めず自己責任で仕方ない。そんな風に考えてしまうでしょう。

しかし、製造物責任法では、販売店が民法上の責任を負うことになります。

その結果、精油の製造元や輸入元は、製造物責任法の責任を問うことが可能となります。

消費者は、法律によって守られていることが分かりますね。

医師法(いしほう)

国、都道府県、病院又は診療所の管理者、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(以下単に「大学」という。)、医学医術に関する学術団体、診療に関する学識経験者の団体その他の関係者は、公衆衛生の向上及び増進を図り、国民の健康な生活を確保するため、医師がその資質の向上を図ることができるよう、適切な役割分担を行うとともに、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。            

出典:厚生労働省

医師法は、医師法に基づく医師以外の者が、診療行為をおこなうことを禁止する法律になります。

行政に医薬品としての許可を得ていない精油を、薬のように使用することもこの法律によって禁じられています。

  • 無許可の精油の使用
  • 病名の診断
  • 治療まがいの行為

さらに家族や友人などにプライベートで、アロマテラピートリートメントを行う過程の中、病名を診断することや治療とまぎらわしい行為は禁じられています。

診療行為に満たない場合は認められているため、線引きはあいまいに見えてじつは明確ですね。

よかれと思って、気づかぬうちに違反をしないように注意しましょう。

獣医師法(じゅういしほう)

獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものする。 

                         

出典:農林水産省

こちらは医師法の中の獣医師専門のもの。

獣医師法は、医師法に基づく医師以外の者が、ペットなどの診療行為をおこなうことを禁止する法律になります。

ケアやトリミングは国家資格に属さないために、範囲内における行為は認められています。

  • ペットの診療行為は資格が必須
  • 医師以外はNG

また、人間と動物は仕組みがまったくもって異なるために、安易なアロマテラピーなどは、控えるようにしましょう。

間違った方法でアロマテラピーをおこなうと、ペットの生命に関わる可能性もあります。

ちなみに、アロマテラピートリートメントにおける診療行為も禁じられているため、注意が必要でしょう。

あはき師法

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資質を向上し、もって医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする法律である。通称はあはき法。

出典:Wikipedia

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律。

表記は法律内の記載に基づき、そのまま表記しております。

上記に該当するものが、資格なしに業としての行為を禁止する法律となります。

マッサージを業態としておこなうためには、あん摩マツサージ指圧師の免許を必要とします。

  • 業務には免許が必要
  • 趣味などは免許なし
アロマテラピートリートメントは、マッサージによく似ていますが、もちろん自己責任でおこなう分には問題ありません。

 

あくまで業としてマッサージをおこなう場合に、免許が必要なため、目指している場合は免許の取得が必須となるでしょう。

アロマを楽しむのに法律って必要?その答えとは

そもそもアロマを自宅で楽しむだけであれば、法律は必要ないと思うかもしれません。

「別に必要ない気が…」と思いますよね。

とはいえ、自宅でアロマを楽しむだけでも、頭に入れておいたほうが良い知識ばかりです。

なぜなら、万が一必要な知識を知らないことで、法律に反することになってしまった場合、その報いを受けるのは自分自身です。

また、無知識はアロマにおける安全性を損なうおそれもあります。

  • 法律違反は自分自身に返ってくる
  • 自分や他人の安全性のため

最初は自宅で楽しむだけでも、徐々にその魅力にハマると人に勧めたり、教えたくなるもの。

そんなときに、正しい知識を持っていることで、安全にアロマを楽しむことができるでしょう。

楽しむことも大切ですが、安全面についても十分に向き合ってくださいね。基礎知識なども知っておきましょう。

【初心者向け】アロマに興味を持った人が知るべきルールと注意事項

今回のまとめ

今回はアロマテラピーに関連する法律について、お伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

アロマテラピーを安全に楽しむうえで、これらの法律は重要な役割を持ちます。

「法律を知らなかった」では済まされないものも多く、法律ついては頭に入れておいて損はないでしょう。

たしかなアロマの基礎知識を得て、ルールを守ることで、はじめて安全にアロマを楽しむことが出来るのは間違いありません。

アロマは自己責任の部分が大きい以上、正しい知識を学んでから楽しむようにしましょう。

また、自宅で楽しむ場合は、小さなお子さんやペットなどがいる場合は、細心の注意を払うようにしてくださいね。

誤飲してしまう場合や火気を扱っている際に、接触する可能性も考えられます。自分自身はもちろんのこと、周囲にも気を配る必要があるでしょう。

あなたの楽しみがひとつ増えますように。最後まで読んでいただき有難うございました。

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